アクロバットの練習…


『フリップはパルクールなのか?』


パルクールの世界では、過去にこのようなテーマで多種多様な意見があり、トレーサーもそうではない方も議論を重ねてきているという経緯が、実はありました。


そして現代のパルクールにおいては、


『フリップは目的次第ではパルクールと言える』


みたいななんともグレーな位置づけで結論付けられているのではないでしょうか。


最近、私の経営するパルクール教室の生徒や自由練習内の利用者がアクロバットを多く練習するようになってきましたので、その話題について、少し触れてみたいと思います。

そもそも宙返りをフリップと呼ぶ理由ですが、フリップという言葉について少し調べてみるとスケートボードで使用される言葉からきているような話がWeb界隈やストリートスポーツ界隈では一般的なようです。例えばキックフリップやバックサイドフリップなどです。


宙返りを英語で直訳するとsomersault(サマーソルト)ですが、体操競技ではFront Tuck/Back Tuckなどの呼び方が一般的です。


おそらく私が考えるに、体操とは異なるという部分からパルクールをストリートスポーツとして位置付けてフリップと呼び始めたのか、それとも単にカッコつけて呼び始めたのか、詳細は分かりませんが、なんとなく、こんな感じでフリップと呼ぶようになったんだなぁということがわかりました。

そしてそのフリップですが、ベーシックなものですと、

※それぞれ正式名称ではありません。


前方宙返り

後方宙返り

側方宙返り

あとそれぞれ何回転とか何回ひねりとか


あとはトリッキングの名称になりますが、

バタフライツイスト

コークスクリュー

などがよく知られるものになってくると思います。

※トリッキングはkickも入ってくるのでフリップだけではありませんが

ただこれ、控えめに言って容易に習得できるものではありません。

まして跳ね床やフカフカのマットがあればまだしも、コンクリート上で、身体に負担なく、一瞬も油断なく、毎回、怪我無く出来るということがパルクールにおいての【出来る】なので、これは容易に習得はしないですよね。


ということは、それだけ宙返りには

【時間】と【労力】が必要

ということになります。


アクロバットに手を付けるということは、それだけ、アクロバットにだけ時間と労力を割くことになるということを理解していただきたいと思います。

私が書く上記のような話は何かを否定するものではなく、伝えたいことは、難易度の高い/運動水準の高い運動を習得しようと思えば、しかもゴールが過酷な条件下であればあるほど、そこに時間や労力を掛けなければいけないという「事実」です。


自由練習で何を練習するのかは自由です。が、パルクール教室ではパルクールの基礎的な知識や動作、そしれメインには考え方と視点を伝えることが目的です。


教室に通う子どもたちは、まずパルクール教室の内容を身体と頭に浸透させるという時間と労力、それをさらに昇華させていくための自主練習という時間と労力、それに加えてのアクロバットの練習という時間と労力、そしてそれを可能にするための保護者の時間と労力と経済的余裕、さらに言えば子どもたちが心折れずに継続できるための声掛けやアドバイス、もっとあります。練習時間の運動効果を最大にするためのウォームアップ、運動終了後に身体に負担を残さないためのウォームダウン、消耗した身体を回復するための食事と睡眠……。これは保護者の強力な支援なくして実現は不可能だと思っています。。。

どうでしょうか?


「いや、うちの子アスリート目指してないからさ…」


いえ、違うんです。上に書いたこの文章、実はパルクールやアスリートがやる特別なものじゃないんです。実は一般的な運動の習い事をしているところの「当たり前」なんですよ。


蔦屋書店などで運動指導に関連する本を適当に手に取り読んでみてください。

子どもに指導する際に気を付けること/やるべきこととして、当たり前に出現する考え方なのです。


私たちコーチは、子どもたちの将来を考えていると以前のブログ記事で書きました。

それは本当です。だから手を抜かないんです。だから、パルクールやるなら「当たり前」として、こういった指導を子どもにも、保護者にもするんです。

(切実に分かってほしいところ)

さて、アクロバットに話は戻ります。


ちなみに、私はパルクールを初めて12年が経過しますが、パルクールを始めて2年間はアクロバットもやっていましたが、その後怪我をし、リハビリを経て、アクロバットをやめました。


(当時のブログ:なぜパルクールの講習会をやるのか <Ver.2>https://blog.goo.ne.jp/isizawakazuya/e/a2ce4738ad154764347b2c503f79a8be


そしてアクロバットを再開して3年が経ちました。


はっきり言って、

パルクールの移動技術や練習の考え方を学んだ後のほうが、よっぽどアクロバットの習得が早かったです。


パルクールを通じて自分の特性や精神性を理解した上でアクロバットの練習をするので、一般的に難易度の低いと言われるものから練習するとかもなく、自分の動作の特性に合った宙返りを選択し、それに沿って練習をしたおかげで専門的な指導者を付けたり教室に通わずとも、比較的過酷な条件下でもアクロバットが出来るようになりました。


※一般的に側転やバク転などの床に手を付く動作から始め、バク宙、前宙などの手を付かない動作、次いで捻りなどの順ですが、石沢は(手首の負担を嫌がりましたw)横宙から始まり、Webstar(前)、Webstar(前)、後方宙返り1回ひねり(マット)、カートフル(側転から側方宙返り1回ひねり)、今現在最後にバク宙の順で習得しています

話をまとめていきますが、


●アクロバットをやるということは、今やっている他を中断して(もしくは大幅に時間を削って)アクロバットに時間と労力を注ぐことになるということ


●パルクールの技術練習や考え方の実践という練習はアクロバットとは別に子どもの時間や労力を作り出し、それらを割いていかなければいけないということ


●アクロバットの練習をし始めるということは、保護者は今のパルクール以上に時間や労力(お金やそれ以外にも)を掛けていく必要が生じること


●石沢はパルクール寄りの練習を突き詰めてからアクロバットも始めたので習得が早かったこと


上記4つがこのブログで伝えたかった「事実」です。


※重ねて言いますが、このブログは何かを否定するものではなく、石沢の経験上で見られた「事実」です。

このブログを読んでどう思ったかはわかりませんが、私はパルクールの移動技術としての練習もアクロバットも、やる気持ちも時間も労力もあるし、掛けられます。

(↑お前はすぐできる環境あるからな)


いやでも、「アクロバットやりたい!」という気持ちは大切ですが、今やる必要あるのか、今じゃなきゃいけないのか、いつやればもっと効果的に習得できるのか、などをよく考える材料にしてほしいだけなんです。


今石沢と一緒に練習している人たちは良いと思っていますよ。なぜなら、気持ちもあるし、(保護者も含めて)時間も労力も掛けられると思っているし、一番は、今は「習得できるタイミング」でもあると思うから。


自分が「アクロバットやりたい!」と思ったり、子供が「アクロバットやりたい!」と言い出したら、少しだけこのブログを、検討する材料として読んで考えてみてほしいなと思います。

自分の書くブログってなんだか何かを否定しているような雰囲気を出してしまっている気が自分ではしていて、正直不安なんですよね。気持ちや想いを公開するのって。自分はそんな気はないので、このブログの内容を読んだ皆さんが自分自身に置き換えて考えた結果、良い方向に向かってくれれば、それが一番いいとと思っているんですが。


なかなかいろいろな意見ありますねw

全部受け入れて糧にしますので、なんか思うことあれば石沢までどうぞw


では今日はこれで。

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自律・主体性を失った子どもたち というマジでリアルなサブタイトル… おそらく子どもに何かを教える立場を経験したことのある方なら、一度は実感しているのではないでしょうか? うちの会社は普段からパルクールを通じて自律性・自主性を育むというコンセプトで子どもらと関わるため、この記事はめちゃくちゃ共感しました。 このURLの記事、必ず読んでください。 https://tinyurl.com/y9ynhzz