Beginner#8 「心なく、フラフラしている」ある三男の話
更新日:2022年10月7日
前回の記事では、三兄弟のうち、“親が決めた環境を与えられすぎた”長男の話をしました。
今回は、前回登場した長男の弟(三男)の話をご紹介したいと思います。 「最近、忙しくて子どものことよく知らないけど…なんとかやってるよね?」 「育児は全部パートナーにまかせてる」 「子どもの前でスマホいじってる時間長いかも?」
そんな方々に読んでいただきたい内容となっております。 少々、耳がいたい話かもしれませんが、おつきあいください。
▼この記事でわかること
親のストレスやメンタルに子どもはかなり敏感であること。
安心して家で過ごせる普通の暮らしの重要性。
すぐできる親にとってもいい愛情表現。
「衣食住+〇〇」平穏な暮らしを当然にあたえる
〇〇の答えは【安心】です。 愛情も、安心に含まれています。
子どもに限らず、「健康」は大人にとっても重要です。
健康でいるためには、充分な食事や衛生環境、適度な運動が思い浮かびますが・・・
子どもの健康や成長に、最も関係するといわれているのがストレスです。
家庭内でのストレスが過酷かつ長期的であればあるほど、子どもの脳にマイナスの影響を受け、常に周囲を警戒する反応をみせるようになる研究結果がでています。
過酷なストレスとは?
・夫婦喧嘩
・DVや心理的虐待
・ネグレクト
これらは児童虐待にあたり、罪に問われます。
「そんなのダメにきまっている!」
「わかってるよ!」
滅多にないとは思いたいのですが、
一歩間違えると・・・ 「起こるかもしれない」事実ということは念頭にいれておいたほうがいいかもしれません。
実際、日本でも悲しい事件があり、子どもの被害件数が増えているデータがあります。
とくに、増え続けているのが「心理的虐待」。
・大声で恐怖に陥れる
・無視や拒否的な態度をとる
・著しくきょうだい間差別をする
・自尊心を傷つける言葉をつかう
・子どもがDVを目撃する
子どものSOSからもわかります。
「かまってほしい・不安」からの問題行動や欲求。
「そのままに」され続けた結果おこる言語や発育の遅れ、コミュニケーション能力の欠如
これらは脳科学の研究で明らかとなっています。
▶マーチン・H・タイチャー(ハーバード大学医学部精神科准教授)

では、より具体的におきている影響はどういったものか、三兄弟のうちの三男の例をみていきましょう。
【失敗談】“見てくれなかった”三男の話
前回に引き続き、同じ3兄弟のうち三男の話をご紹介させていただきます。
※実話ですが、JUMP&LEAPご利用者様及び、SENDAIXTRAIN関係者とは一切関係ありません。
①「また男の子」親のホンネに傷つく少年
3番目にうまれた子どもは、親の希望とは異なり、男の子だったそうです。
このことを、冗談半分で親が三男にいったことがありました。
とうぜん三男は傷つきましたが表にはだしません。
甘えてばかりの長男や、ズル賢く調子のいい次男に手をやいていた両親をみて、幼いうちから遠慮しガチだった三男。
さらに、両親ともに仕事が忙しく、3番目ということもあり関心をもってくれることが少なかったそうです。
次第に自分から話しかけることも減っていき、兄たちからも話下手だと言われるように。
②親・兄たちに反抗(万引き行為も…)
当然のように、兄たちと同じ中高一貫校に通うこととなった三男。
部活は兄と同じ柔道部ではなく、なんとなく決めた弓道部へ…。
比較されることも、話題にされることもなくなりました。
そんなとき、両親が離婚してしまいます。
親の言い争いや、
周囲からの詮索の目に噂話…
不安や悲しさを訴えることができる相手はいませんでした。
ストレスの反動からか 近所の本屋さんで万引き、 普段の会話で吃音の症状がみられるように…。
③そのまま放置した結果
その後、家庭環境はより複雑になり、三男は学校にも行かなくなります。
さらに反抗的な態度をみせ、未成年でタバコ・お酒にも手を出しました。
お小遣いをもらえば遊びに行き、夜遅くに帰ることも。
(親の財布から勝手にお金を持ち出すことも度々ありました。)
親も離婚・再婚した後ろめたさから、強く言うことはせず、うやむやにしてしまいます。
自分では手に負えないと考えた親は、調理師免許をとれば手に職をもてると考え、全寮制の専門学校に通わせます。
(長男のときと同じです。)
▼その結果、大人になった三男は…
・基本的な挨拶ができず、会話もうまくできない。
・家族よりもお金を優先する。
・逃げてばかりで向上心がない。
ちなみに三男は、親が病気になった際、病院にかけつけることはありませんでした。
資金的援助があっても、自分をみてくれなかった親に対して、許せない気持ちがあったそうです。
三男の場合、どこが問題でどうすればよかったのか、考えてみましょう。
[どうすれば?]パルクールで考えてみる
問題点
冗談でも「女・男の子がよかった」絶対NG、他体型や顔など
両親のケンカは百害あって一利なし
自由放任ではなく、放置してしまっていた
もちろん、この3つだけが要因ではなく、子どもの生まれながらに持つ遺伝的な性格や能力も関係しています。
ここでは、わかりやすくするため3つのポイントに絞りました。
パルクールで考える⇒1の場合
”We start together we finish together=皆で始めて、皆で終わる”
この「We」には、差別・偏見がありません。
人種・性別の境界線がないのです。
身体的特徴もそうですし、障がい者の方も。
「より、優れた技ができる人」の優劣もありません。それがあたりまえの世界。
だからパルクールにはもともと競技・競い合うスポーツという概念もない、ある種他のスポーツとは独立した考え方をもっています。
⇒ご家庭や学校ではどうでしょう?
その発言や威圧的な態度、体罰…
必要ですか?
差別的発言や偏見・否定は、子どもを暴力的にします。
確かに短期的には効果があるでしょう。しかし長期的にみればデメリットだらけです。
たとえ冗談であってもやめましょう。
傷つけてしまった間違った時は、素直に大人が謝ることが大切です。
パルクールで考える⇒2の場合
JUMP&LEAPでは、
・信頼できるコーチと
・好きなパルクールに熱中でき
・認めあえる環境だからこそ、
自己肯定感もあがります。
安心できる環境は子どもにとってとても重要です。
⇒ご家庭や学校ではどうでしょう?
夫婦喧嘩をみせるのはとても危険。
ギスギスした雰囲気も、イライラを抑えていても子どもは気づいてしまうそうです。
子どもの成長にも影響するといわれているので、なるべく仲良くいましょう。 受験期や大会など勝負の時期はとくに! ※夫婦や人間関係の付き合い方などは今後別の記事で紹介していく予定です。
とはいえ、親も一人の人間。 人生には数多くの選択があるかと思います。
たとえ夫婦が離婚したとしても、 ひきずることをせず、思いがけないトラブルを持ちこむ子どもをみてあげましょう。
素直な気持ちを時間をかけて話し合うのも大事です。
「家族なら察っしてくれる」のではなく、
「家族だからこそ向き合う」必要があります。
パルクールで考える⇒3の場合
スマパルを読んできた方なら「またか」と思われるかもしれませんが…
同じ目線でみる
どうしたいのか・どうするのか引き出す、待つ
自分で考えてできたことを一緒に喜ぶ
パルクールでの基本的な考え方ですが、これがなかなか難しい…。 1人のコーチが見ていなければ、別のコーチが見て、できた子にアイコンタクトをとることもあります。
そのまま放置する
のではなく、
信じているから放任する
そして、「実はずっと見ていたこと(アイコンタクトなど)」が重要なのです。
まとめ
今回は、前回に引きつづき事例をだしました。 少し重い内容になってしまいましたが、 今だからこそすべての親御さんにお伝えしたい内容です。
差別・否定などは子どもが暴力的になる傾向。
過酷なストレスは子どもの成長に影響する。
平穏な暮らしと関心・アイコンタクトは発育に影響。
最後に、
スマパル「なかの人」自身も、自分が原因でイライラしてしまい、子どもに叱りつけることがありました。
残念ながら、その時の子供が受けたストレスによる影響をリセットすることはできないそうです。
なにかうまくいかない、イライラしてしまう時こそ、 5秒以上、お子さんを抱きしめましょう。
大人も子どもも、てっとりばやくストレス軽減になるので効果的です♪
※子どもだけじゃなく夫婦、親友、ペットでもOK
ぜひ、お試しください。
それでは、また♪