Middle#1 実は伸びしろがある「飽きっぽい・めんどくさがり」な子
更新日:2022年10月7日
こんにちは!スマパルです!
Middleでは、よりパルクールで考える子育て・教育について発信していきます。
多くの親が子どもにはいろんな経験をしてほしいと考えているかと思います。
その理由は…
「将来の選択肢・可能性を広げてほしいから」
「子供の目指す将来をみつけてほしいから」
しかし、 我が子はめんどくさがる、飽きっぽい、努力しない、つづかない。
勉強も運動も…成績が芳しくないと将来も不安に感じるのではないでしょうか?
今回は小・中・高生だからこそやるべきことをご紹介します。
この記事を読んで得られること
子どもたちの「選択肢」を広げる近道がわかる
子ども自ら成長するようになる導き方
他分野にも派生していく考え方
「飽きっぽい」なら徹底的にトライ&エラー!

一見矛盾しているように思われる結論を詳しく説明すると…
飽きやすい・めんどくさがり、ならば楽するためにどうするかという考え方もできます。
「もっと楽にするにはどうする?」「どうすれば楽しくなる?」 と過程やアイディアを聞きながら振り返ります。
それは、自分で創意工夫をしたり、戦略をたてることにつながります。
さらに、自分で考えたことは、人に言われてやるより実行に移しやすい傾向も。
一度この波にのってしまえば、勉強も運動も芸術も多くのことに興味をもち試すようになります。

しかし、すでに「飽きる」「やめた」を繰り返している場合はどうすれば?
まずは、その子の悩みや興味関心がどこにあるのかを探す必要があります。
何にも興味を示さない人はいませんし、何をすることもない人もいません。これまでしてきたことから始めるでもいいのです。
読書や漫画、映画やYouTube、川遊びや山登りなどなど
なに(what)が好き、ではなく、
なにをする(do)ことが好きなのか
それをハッキリと一緒に見つけることが大事です。
「〇〇を✕✕することが好きなんだね」
その気づきが増えれば、次第に興味関心は増えてきます。
子供自身が考えて、実行して、努力したことを大いに褒めてあげてください。
結果につながった努力や、失敗からの考え方をちゃんと言葉にして褒めることは子供に対してだけではなく、職場の部下にも有効です。
その際、気をつけておくべきことは、 アナタが経験と知識からどうすればいいか知っていても、あえてすぐ答えをださないこと。 自分で考え、自分で計画して、自分で決めて、自分で達成した経験こそ、その後の成長につながります。
いじめをどう解決するか一緒に考えた教師
このトライ&エラーの成功例としてご紹介したいのが、「Google、ディズニーよりも働きたい教室」の著者である松田悠介氏の中学時代の経験です。
中学1年生から2年生にかけて松田さんは熾烈ないじめを受けていました。殴る蹴るが日常茶飯事で、学校生活は常に無気力で「だるい」「面倒」と思いながら過ごしていたそうです。
そんな時、気にかけていた先生が、
「どうすれば強くなれるか一緒に考えよう」
「なんでいじめられてしまうんだろうな」
もちろん、いじめる側が100%悪いのですが、この時点で先生が厳しく指導することで、その場は解決できたかにみえても、かえって陰湿ないじめに変わり根本的な解決には至りません。
そこでルーズリーフ1枚に「なぜ自分がいじめられるのか」その原因を書き出していきました。

書き出した原因をみて先生は「では、どうしたら身長が大きくなるのか」「どうしたら筋肉がつくのか」とさらに引き出します。
それから松田氏は自分で調べ、規則的な生活習慣や食事、運動が必要なことを知り、自分で試行錯誤していきました。すると身長も伸び、体格も大きくなったことで自信がつくように…。
気づいたときにはイジメは一切なくなっていたそうです。
先生は陸上部の顧問だったので、筋肉のつけ方などはもちろん知っていました。
しかし、一緒に考えた時にその答えをすぐ言わなかったのは、成長するには自分で考えて決める必要があるとわかっていたからだと思います。
松田氏は恩師との出会いと経験から教師を目指し、大学へ進学。教師になったあとも、日本教育のために、ハーバード大学大学院へ入学します。
その後も世界で様々な経験をし、活躍していきます。
ここでお伝えしたいのは、好きなコトでも今の課題でも1つのことにどうすべきか試行錯誤することです。
本を読む ⇒気に入った本、漫画を読む。作者や史実を調べる。
歌を歌う ⇒好きな歌のソプラノが歌えたら、次はアルトのパートを覚えたい。
パルクールする ⇒基本のパルクールロールができているのか、仲間や先生に聞く、どうすれば自然でカッコいい動きができるのか試行錯誤する。
こうしていくうことで、考える視点=フィルターがどんどん増えていきます。
教育もスポーツも1万時間ルールは通用しない
(パルクールも含む)
とはいえ、そこまで真剣に考えなくても…なんとなく、続けていけばいずれいろんなことに目をむけるようになると思う。

皆さんは『1万時間のルール』を聞いたことはありますか?
天才・一流とよばれる人は例外なく1万時間練習に打ち込んでいる
この考えは、プリンストン大学の心理学研究で疑問視されています。
1万時間の練習による影響・効果はスポーツは18%、勉強はたったの4%だったのです。
つまり、ただ続けていくことにあまりメリットはないということ。
成功も失敗もどんな過程があるのか振り返ることが、知識が技術の飛躍につながる鍵となっているのです。
ある程度で済ませてしまえば、達成感や関心も薄くなる可能性があります。
「ちゃんとできた!」「ごまかさず、自信をもってできたといえる」「みんなと一緒に自分もできた」
自信をもってできたといえる成功体験を持つ子は、その後次々と成長を加速させます。
ぜひ、パルクールも技ができた!すごい!で終わらせるのではなく、
かっこよく魅せる、そしてもっと上手になるためには、何ができて何ができていないのか、どうしたら上手になれるのかの試行錯誤を繰り返して、その考え方をもってして勉強も芸術もなんでも挑戦する気持ちになれるといいですね。
【ここでお知らせ】
9月から10月にかけてパルクール集中講座シリーズを開催しております。
「PKロールをもっと上達したい」「コングヴォルトがまだ不安」という方はぜひ、この集中講座で1つのことを徹底してトライ&エラーしてみるのはいかがでしょうか?
受ける前と後とで大きく成長できるかもしれませんよ♪
まとめ
今回は「飽きっぽい」「面倒くさがり」な子供たちをどうすればいいのか、大人ができることについて、ご紹介しました。
子どもたちの選択肢を広げる近道は1つの成功体験
努力、戦略、意志決定を褒めることが成長へ導く
トライ&エラーの繰返しが他分野への好奇心となる
あらゆる才能を発揮する可能性は、1つのきっかけとその後の行動です。
1つの経験が多くの分野に派生して、挫折や成功を経験していくと、あらゆる視点で物事を考えることができるようになるでしょう。
『徹底したトライ&エラー』これは子供だけではなく、大人もできることです。
パルクールが、年代も性別も関係なくできるように、この考え方に歳は関係ありません(ただし、若いうちのほうが簡単)。
ぜひ、ご参考ください。
【次回予告】
Middle₋レベル2は、海外が絶賛した「日本の教育」についてご紹介します。
単純に“教育内容がいい”のではなく、そのシステムに注目して実際に取り入れた国がありました。 その国とは…? (どこか予想してみてください)
また、それに付随して今の子どもたちの進学・就職先にも触れていこうと思います。
それでは、また♪
今回の参考文献:
「Google、ディズニーよりも働きたい教室」松田悠介
「北欧の教育最前線」北欧教育研究会編著